国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業 ~広島事務所の被災者支援活動、新しい段階の広域災害後方支援活動への取り組み(24)~
2025年12月22日(月)13:19
BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業
BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受け、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えています。併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材等を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
2024年1月1日16時10分に発生した令和6年能登半島地震、更に、2024年9月20日から発生した令和6年奥能登豪雨災害に対し、BHN現地事務所(宮城、熊本、広島)ではBHN広島事務所がまとめ役となり、2024年4月1日に開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を実施し、令和6年能登半島地震被災者支援事業は順調に軌道に乗っています。
BHN広島事務所では、「BHN北陸事務所が担当している令和6年能登半島地震被災地とBHN広島事務所が担当してきた2018年西日本豪雨被災地等との被災地間ネット交流会」を実施しています。更に、「今後国内各地で発生する新しい国内災害、とりわけ、南海トラフ巨大地震等に備える、既得及び新規通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備活動」を進めています。
2025年12月4日島根県大田市北三瓶地区、12月17日広島県呉市天応地区、12月18日広島県呉市安浦地区の活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。3拠点共通テーマは「ネット会議活用研修会、生成AIの活用、年賀状の作成等」です。
■研修場所、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター
2025年12月4日、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター、住民12名+北三瓶まちづくりセンター職員1名(山田 みどり氏)+BHN広島事務所メンバー オンライン参加6名(沖野 啓子氏、寺岡 和子氏、杉原 瑞枝氏、岡崎 幸子氏、岩本 一子氏、廣中 香氏)、この日の研修テーマは、「広島と接続してオンライン研修会、生成AIの活用、年賀状の作成」でした。講師はBHN広島事務所(所長、島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)の福田 卓夫氏が担当しました。

いつものように、広島メンバーはネットで参加しました
(2025年12月4日撮影)
●生成AIの活用研修
最近格段に性能が高くなったと評判のGoogleの生成AI「Gemini」の画像生成機能を使ってどんなことができるか、試してみました。
Geminiを最新版の画像生成モードに切り替えて、どのような画像を生成してほしいか具体的に指示すると作ってくれます。例えば、自分が行ったこともない場所にいるような画像を作ってもくれますが、役に立つのはまるでプロが作成したかのようなデザインの資料を作ってくれることです。
試しに、料理の作り方を説明する資料を、具体的に指示して作らせたら、満足できるような資料を作成してくれました。
また、ペットの写真にコメントを付けるように指示してLINEスタンプを作らせたら、とても良いスタンプを作ってくれました。最新の画像生成AIがクオリティの高い画像を作ってくれることを体験して、皆さんこのようなAIの活用自分たちにもできることを実感できたと思います。
更に、AIを通常の言葉で投げかけて答えてもらうモードに切り替て、冷蔵庫にある食材を使ったレシピを提案してもらうことを試してもらいました。これは日常生活に役立ちます。

今回の研修会資料はAIに手伝ってもらって作りました
(2025年12月4日撮影)

具体的に指示をすると思うような資料を作成してくれます
(2025年12月4日撮影)

目玉焼きの作り方として、こんな資料ができました
手持ちの食材で料理レシピを提案してもらいます
(2025年12月4日撮影)

皆さんこのようなAI活用、自分たちにもできることを実感
(2025年12月4日撮影)
●年賀状の作成
日本郵便の年賀状作成アプリ「はがきデザインキット」を使って、スマホで年賀状を作成し、印刷しました。皆さん、毎年やっているので、慣れた手つきで短時間で作成していました。これで、年末までにやるべきことのひとつが終わりました。

国立公園三瓶山には前日に降った初雪が積もっていました
(2025年12月4日撮影)
■研修場所、広島県呉市天応地区
2025年12月17日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、呉市天応地区住民5名、坂町住民2名、この日の研修テーマは「スマホの便利機能」、講師はBHN広島事務所の寺岡 和子氏(主任講師)、杉原 瑞枝氏、沖野 啓子氏、岡崎 幸子氏、廣中 香の5名が担当しました。
●年賀状の作成
主任講師の寺岡 和子氏が、年賀状サンプルの一覧表を準備し、その中から各自が好きな賀状を選びました。「差出人」を連名にしたり、自分の情報を入力して準備したり、「年賀ハガキ」を購入してこられた方も、ちょっと緊張しながらの年賀状作成作業でした。
昨年の経験から、プリンターがスムーズに作動してくれるか?心配しながらも、早めに準備していたので、少しのトラブルはありましたが何とか上手く印刷できました。LINEに送るやり方もお知らせしたので、皆さんLINEでも送られることでしょう。
完成した年賀状を手に皆さん笑顔がほころびました。今年一年の頑張りに皆さんで拍手!また来年も楽しい時間を過ごしましょうと締めくくりました。

準備した年賀状サンプル
据え付けプリンターと持ち込みプリンターの動作確認作業
(2025年12月17日撮影)

完成した年賀状を手に笑顔がほころびました
(2025年12月17日撮影)
■研修場所、広島県呉市安浦老人福祉会館
2025年12月18日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民5名、研修テーマは「AIを使ってクリスマスカードを作ろう」、講師はBHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。北三瓶まちづくりセンターで使用したテキストを使用しながら研修を進めました。
●近況報告
この日も、近況報告から始まりました。12月中旬、寒さもあって参加者は5名と少なかったのですが、その中のお一人がたくさんの柚子を持って来てくれました。「柚子味噌を作ろう」、「柿と大根と昆布の酢の物よ」、「これだけあればゆず湯もいいね」と最初から盛り上がりました。
また、お一人はクリスマスが近いので机の上で灯すろうそくを持って来てくれました。このろうそくは、仮設住宅団地の談話室でクリスマス前に皆さんで作ったろうそくでした。今でも大事に保管されていて、とても嬉しくなりました。

持参された沢山の柚子、仮設住宅団地の頃に作ったろうそく
(2025年12月18日撮影)
●AIを使ってクリスマスカードを作ろう
以前、Canvaのアプリを使ってクリスマスカードを作りました。時代はAIへと変わってきています。先ず、Geminiを開きました。画像作成を選択すればいいのですが、参加者の皆さんから、AIにどんなカードを作るのか、どんな要望を説明するのかが難しいと言われました。
自分のイメージするクリスマスカードがすぐには思い浮かばないようなので、Googleでクリスマスカードと検索して、自分の気に入った画像を探して、その画像の特徴を3つくらい覚えて画像の説明を入力してみました。イメージ通りのカードができなくても、要望を伝えるとやり直しができることも伝えました。しかし、この日の参加者の皆さんは、一発勝負のクリスマスカード作りに満足のようでした。
簡単にクリスマスカードが作れることに感心された様子でしたが、AIに自分の要望を伝える難しさも実感されたようです。AIを使いこなすにはまだまだ時間がかかりそうなので、近いうちにまたGeminiを使って研修会をしようと思いました。
出来上がったクリスマスカードはグループLINEに投稿しました。今日は欠席だった方から「素敵なクリスマスカード」と褒めてもらいました。

出来上がったクリスマスカードは好評でした
(2025年12月18日撮影)
■JPF広報映像にてBHNの支援活動が紹介されました
2025年10月31日、ジャパン・プラットフォーム(JPF)のYouTubeチャンネル「ソーシャルグッド タイムズ」において、BHNの国内災害被災者支援活動 「令和6年能登半島地震被災者支援事業」が紹介されました。この映像は、2025年10月10日、及び16日に実施された現地取材をもとに制作されたものです。
●配信映像はこちら
JPF【ソーシャルグッド タイムズ】#20
BHNテレコム支援協議会「ICTを活用 シニアを被災地の主役に」
▶️ https://youtu.be/TXbnB64Rn4A

JPF【ソーシャルグッド タイムズ】#20
BHNテレコム支援協議会「ICTを活用 シニアを被災地の主役に」
●関連するBHN活動報告を掲載
BHNの公式ウェブサイトでは、関連するBHN活動報告を掲載しています。
「令和6年能登半島地震被災者支援事業 ~珠洲市・穴水町・輪島市の集会所を活動拠点にした、ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動への取り組み(31)~」

BHNの公式ウェブサイト
「令和6年能登半島地震被災者支援事業(No.31)」
上記リンクからBHNの活動をご覧いただけますと幸いです。多くの皆さまにご視聴をいただき、支援活動へのご理解と共感の輪を広げていただきたいと希望しています。
■BHN広島事務所による「新しい段階を迎えた広域災害後方支援活動」
BHN広島事務所は、BHN北陸事務所からの要請に応えて、2025年4月~7月、令和6年能登半島地震被災地との被災地間ネット交流会に参加しました。BHN広島事務所では、令和6年能登半島地震被災地と被災地間ネット交流会を継続実施しながら、「今後国内各地で発生する新しい国内災害、とりわけ、南海トラフ巨大地震等に備える、既得及び新規通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備活動」を進めています。
これまでの活動状況は以下のページをごらんください。
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二
