国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業~熊本事務所の取り組み、熊本地震被災地及び令和2年7月豪雨被災地向け継続支援活動(2024年9月、10月活動報告)~
2024年11月5日(火)16:21
BHN熊本事務所(所長 色見 高司氏)は、2016年4月に発災した熊本地震被災地(熊本市、益城町、嘉島町、御船町、甲佐町、西原村、南阿蘇村等合計7市町村)において、復興フェーズ毎に(避難所フェーズ 6カ所、仮設住宅団地フェーズ 47カ所、災害公営住宅団地フェーズ 9カ所)、各種の工夫を取り入れた「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を幅広く実施しました。熊本地震被災者支援事業
BHN熊本事務所は、上記に加えて、2020年令和2年7月豪雨被災地(八代市、人吉市、芦北町、球磨村等4市町村)仮設住宅団地集会所に、「BHNパソコンコーナー(パソコン、プリンター、ドコモWi-Fi設備等)」を開設して、「ICTを活用した被災地の地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。令和2年7月豪雨被災者支援事業)
BHN熊本事務所は、2023年4月、熊本地震被災地の益城町木山下辻団地よりICTを活用した支援活動の継続要請を受けました。加えて、2023年12月、令和2年7月豪雨被災地の球磨村役場より二つの仮設団地向け支援活動の継続要請を受けました。同事務所では、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えつつ、併せて、①熊本事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②地震災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業(その1)
なお、2024年8月8日16時43分頃、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。この地震の発生に伴って、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられたことから、8月8日19時15分、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表されました。
2024年8月15日17時をもって、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発表に伴う政府としての特別な注意の呼びかけは終了しました。しかし、大規模地震の発生の可能性がなくなったわけではないことから、「日頃からの地震への備え」については、引き続き、実施いただきたいと呼びかけられました。
今回は、熊本地震被災地及び令和2年7月豪雨被災地向け継続支援活動について、2024年9月、10月の活動報告をします。
■活動場所 熊本地震被災地の熊本県益城町木山下辻団地、スマホ研修会
●熊本県益城町木山下辻団地集会所、スマホ研修会(2024年9月20日開催)
2024年9月20日、熊本県益城町木山下辻団地集会所、スマホ研修会、住民7人、講師はBHN熊本事務所の色見 高司氏、井嶌 都氏(主任講師)、吉田 和子氏、楠本 邦昭氏が担当しました。この日のスマホ研修会は、ラジオ体操から始まりました。ラジオ体操の世話人さんは、井芹区長さんでした。
この日のスマホ講座は「フォトスキャン by Google フォトアプリを使ってプリント写真をデジタル化しよう、懐かしい写真をスマホに残そう」をテーマにして実施しました。
●熊本県益城町木山下辻団地集会所、スマホ研修会(2024年10月18日開催)
2024年10月18日、熊本県益城町木山下辻団地集会所、スマホ研修会、住民4人、講師はBHN熊本事務所の色見 高司氏、井嶌 都氏(主任講師)、吉田 和子氏、楠本 邦昭氏が担当しました。この日のスマホ講座は「どこかに置き忘れたスマホを見つけ出す」をテーマにして実施しました。
■活動場所 令和2年7月豪雨被災地の球磨村、定期巡回設備点検
●BHNパソコンコーナーの定期巡回設備点検
2024年10月15日、球磨村の球磨村さくらドーム仮設団地集会所及び球磨村グラウンド仮設団地集会所に開設しているBHNパソコンコーナーの定期巡回設備点検業務を実施しました。この日は、球磨川流域市町村のエリアマネージャー浦口 耕也氏、色見 高司氏、楠本 邦昭氏の3人が担当しました。
●熊本県球磨村役場訪問、熊本県球磨村地域での復興工事の状況
BHNパソコンコーナーの定期巡回設備点検業務終了後、熊本県球磨村役場訪問を訪問しました。各種の情報交換を実施した際、今回は「建設工事中の新沖鶴橋」を見てほしいと伝えられました。球磨村は中央を流れる球磨川を挟んで両岸側に村中心部、複数の集落部があります。球磨村村民の生活にとって、両岸を結ぶ複数の橋の復興工事完了は最重要事項です。
●熊本県球磨村での復興工事、「建設工事中の新沖鶴橋」
前回の現地から報告(2024年8月23日)では、「建設工事中の新相良橋の橋脚」(熊本県球磨郡球磨村渡乙・・・球磨川下流部)の様子が届きました。
今回の現地からの報告(2024年10月15日)では「建設工事中の新沖鶴橋の橋脚」(熊本県球磨郡球磨村渡乙・・・球磨川上流部)の様子が届きました。
■南海トラフ巨大地震の発生に備えて、「広域災害後方支援活動」の重要性
2024年8月8日、気象庁による初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発出される等、南海トラフ巨大地震への備えの重要性が改めて注目されました。熊本県の隣県、宮崎県や大分県で甚大な被害が出た場合、日本国政府は熊本県熊本市に「九州地方全体の災害現地対策本部」を置く計画で、熊本県は災害対応や被災地支援の拠点としての役割を担うことになります。
日本国政府の計画では、熊本県の八代港や熊本空港が支援物資の集積拠点となります。熊本県の構想でも、医療救護や物資支援の拠点に位置付け、県境を越えた避難者の受け入れも盛り込んでいます。尚、全国では、熊本市と同様に、高松市、名古屋市、大阪市、静岡市等に日本国政府の災害現地対策本部を開設する計画です。
2024年10月19日・20日、「ぼうさいこくたい2024 in 熊本」が、熊本県が開催県となって、熊本県熊本市の熊本城ホールを中心としたエリアで、現地参加とオンライン参加を組み合わせたハイブリッド形式で開催されました。
この中では、広域連携について具体的な討論会が開催されました。「官民連携による被災者支援体制構築」モデル事業に取り組む15府県の担当者等が集まり、JVOAD(特定非営利活動法人 全国災害ボランティア支援団体ネットワーク)幹部も参加して、官民連携の体制構築・強化の方策について話し合われました。更に、KVOAD(特定非営利活動法人 くまもと災害ボランティア団体ネットワーク)セッションでは、「九州地区における災害支援団体と行政・社協とのネットワーク強化を探る」が討論されました。
BHN熊本事務所では、上記の動向を念頭において、「ICTを活用した被災者支援活動を広域災害後方支援活動の視点から、新たな工夫・改善を加えながら備える必要がある」と考えています。
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二