熊本地震被災者支援事業

 2016年4月14日と16日に大地震に襲われ、その後も余震が続く熊本県で、県や市町村が被災した方々の支援を進める中、当会も新聞やテレビ等報道機関の情報、熊本県や熊本市の発信情報、内閣府災害対策本部からの情報、併行して熊本市や益城町、嘉島町の親戚や知人を通して、現地の被災状況の把握に努め、当会が被災地で支援できる活動内容について関係者で検討を進めました。
 その結果、5月11日から15日まで、甚大な被害を被った益城町、熊本市、南阿蘇村等7市町村の社会福祉協議会、避難所等を回り、当該自治体の方、遠方から支援に駆け付けた自治体の方やボランティアの皆さん、そして避難されている皆さんからもいろいろお話を伺いました。
疲労困憊の様子のおばあさんから、「こうして皆がきて、助けてくれて有難う」と言われ、目頭が熱くなったこともありました。
 当会の熊本地震被災者支援事業は、災害時等の緊急・人道支援を行うジャパン・プラットフォーム(以下、JPF)から承認され、2016年6月2日から10月15日、初動・緊急対応期JPF助成事業「熊本地震被災者支援事業 ~熊本県益城町等7市町村の避難所・仮設住宅団地運営業務の円滑化・活性化に資するパソコン環境整備・運用支援~ 」を開始しました。

事業名・初動・緊急対応期 JPF助成事業 「熊本地震被災者支援事業」
 「熊本県益城町等7市町村の避難所・仮設住宅団地運営業務の円滑化・活性化に資するパソコン環境整備・運用支援」
・受託事業「みんなの家における健康サービス運用支援事業」
・受託事業「被災地におけるWi-Fi利用実態調査に関する事業」
・赤い羽根助成事業「熊本地震仮設団地住民の地域コミュニティ形成のためのICT利活用支援活動」
・復興対応期   BHN自主事業「熊本地震地域ICT支援事業」
 (地元の要望に応えて、上記JPF助成事業で配備したICT設備を活用した継続事業を実施する。)
受益者対象地域3市町村6カ所の避難所の避難者数約1,500人
対象地域7市町村の支援対象仮設住宅団地入居者 約4,000人(推計)
対象地域熊本地震被災地、主に熊本県熊本市、益城町、嘉島町
甲佐町、御船町、西原村、南阿蘇村等7市町村
実施期間2016年6月2日~2023年3月31日(予定)
協力機関・団体協力機関
団体
熊本シニアネット
(“高齢者の生きがい創り”、“コミュニケーションの場を創ろう”と1999年11月に設立された団体)
九州電電同友会 熊本支部
■背景
  1. 2016年4月の熊本地震発生後、現地ニーズ調査を行い、6月2日~10月15日、JPFの事業資金により初動・緊急対応期の被災者支援活動「熊本県益城町等7市町村の避難所・仮設住宅団地運営業務の円滑化・活性化に資するパソコン環境整備・運用支援」を実施しました。
    この活動の中で、熊本地震で被災した熊本市・益城町等7市町村の避難所(6カ所)、続けて仮設住宅団地集会所・談話室(47カ所)を対象にパソコン・プリンター・ドコモおくダケWi-Fiアクセスポイント等を用いたBHNパソコンセンターを開設し、ICT技術を活用した被災地の地域コミュニティ再生・活性化支援活動に取り組みました。
    電電同友会熊本支部(支部長 宮本金生氏)と熊本シニアネット(代表 色見高司氏)の協力を得てBHN熊本事務所を開設して取り組みました。

  2. 2016年10月16日より、復興対応期の被災者支援事業として、2つの受託事業(みんなの家における健康サービス運用支援事業及び被災地におけるWi-Fi利用実態調査に関する事業)、3つの助成事業(赤い羽根ボラサポ・九州第2次・4次・5次「熊本地震仮設団地住民の地域コミュニティ形成のためのICT利活用支援活動」)、及びBHN自主事業「熊本地震地域ICT支援事業」を組み合わせて、ICT技術を活用した被災地の地域コミュニティ再生・活性化支援活動を継続しました。
  3. 当初計画では、2016年6月2日~2019年3月31日までの約2年10カ月間を想定して被災者支援活動を開始しました。その後、被災状況の深刻さを考慮し、BHN自主事業「熊本地震地域ICT支援事業」を更に4年間延長し2023年3月31日(予定)までの約6年10カ月間、被災者支援活動を継続することを決定しています。
  • 地震により倒壊した家屋

  • パソコン・プリンター53セット初期設定作業

■活動
 2016年6月2日~10月15日、JPF事業資金による初動・緊急対応期の被災者支援活動「熊本県益城町等7市町村の避難所・仮設住宅団地運営業務の円滑化・活性化に資するパソコン環境整備・運用支援」を実施後、被災地市町村役場及び仮設住宅団地自治会役員等から強く支援活動継続要請が寄せられました。

 当会のBHN自主事業「熊本地震地域ICT支援事業」の支援活動期間(当初計画:2016年10月16日~2019年3月31日予定を、被災者の仮設住宅団地入居期間が大幅に延長されたこと、更に、益城町の仮設住宅団地集約化施策が導入されたことを考慮して2023年3月31日予定)を大幅に延長し、「BHNパソコンコーナー」等を有効に活用した被災者支援活動を継続しました。

 この被災者支援活動の目的は、ICT活用面から、被災者の自立と仮設住宅団地を起点とする地域コミュニティ形成・活性化を目指して、被災者に寄り添いながら地道に・継続的に、熊本地震被災地域を支えていくことです。

二種類の被災者支援活動を継続的に実施

 「BHNパソコンコーナー」を開設した仮設住宅団地集会所・談話室(47カ所)を対象に、「巡回設備点検・巡回ICT活用相談活動」及び希望する仮設住宅団地向けに「パソコン研修活動」等、主に二種類の被災者支援活動を継続的に実施しました。

 「巡回設備点検・巡回ICT活用相談活動」は、ICT設備点検・プリンター用インク及び印刷用紙補充等「BHNパソコンコーナー」が常に使える状態に維持するため、1カ月に1回の頻度で全カ所の巡回訪問を実施しました。出来るだけ沢山の機会をつくって訪問回数を増やしたことは被災者の皆様から大変歓迎されました。巡回設備点検・ICT活用相談等で訪問した際に、被災者住民が個人所有するパソコン等を持参して故障相談が寄せられました。また、ICT専門技術分野に限定せず、被災者が話しかけてくることにはすべて耳を傾けて聴き柔軟に対応したことから一層信頼され喜ばれました。

 「パソコン研修活動」は、希望する仮設住宅団地向け(西原村・小森仮設団地及び御船町・ふれあい広場仮設団地)には、「巡回出前パソコン研修活動」として継続的に実施しました。また、ドコモおくダケWi-Fiアクセスポイントを設置した仮設住宅団地には、Wi-Fiサービスを含めた活用研修をきめ細かく実施しました。併せて、「公民館を使った被災者向け集合型パソコン研修会」にも力を入れました。集合型パソコン研修会には、ドコモおくダケWi-Fiアクセスポイントを持参しWi-Fi接続サービス環境が整った研修会場となるように配意しました。これにより研修内容が充実したものとなり被災者受講生には大変好評でした。

 これら二種類の被災者支援活動を、被災者の要望に耳を傾けながら一歩一歩地道に繰り返し実施しました。また、大変好評だった受託事業「みんなの家における健康サービス運用支援事業」により健康維持意識が高まった被災者からの強い継続要望に応えて、「上記ICT機器と組み合わせたBHN熊本ICT健康サロン」及び「益城町・テクノ仮設 歩け歩け大会」等新たに工夫した被災者支援活動を開催し、参加した被災者から健康的な笑顔が弾けました。
  • 甲佐町・白旗仮設 インストラクター指導笑顔健康体操イベント(2017年9月6日)

  • 益城町・テクノ仮設 第1回歩け歩け大会 コースを1.5周 (2018年11月14日撮影)

  • ドコモおくダケWi-Fi回線を活用した被災者向け集合型パソコン入門コース
    (講師:加藤氏、徳留氏、吉田氏)(2018年11月13日撮影)

  • 益城町・テクノ仮設 第1回歩け歩け大会 コースを1.5周
    秋桜が咲く広場で記念撮影(2018年11月14日)

発災後2年目を迎えた熊本地震被災地で開催されたイベントの様子
 2018年4月14日夕方、益城町・テクノ仮設団地・みんなの広場で、テクノ仮設団地自治会主催「熊本地震から2年・追悼の集い 忘れない 4.14・16 益城町」が開催されました。  翌日、4月15日午後には、熊本県庁においてKVOAD主催「復興祈念ウィーク 基調講演・事例発表・パネルディスカッション」が開催されました。基調講演「阪神・淡路大震災から伝える復興まちづくり」(神戸まちづくり研究所・野崎隆一氏)から始まり、事例発表「連携会議から抽出された課題と対応策のデータベース化と今後の活用について」、そしてパネルディスカッション(JVOAD事務局長・明城徹也氏司会)では、BHNが支援してきた益城町・テクノ仮設団地の吉村静代氏がパネラーの一人として「益城まちおこし26年のあゆみ」と題して発表されました。

 4月16日午前、熊本市役所で「平成28年熊本地震感謝状贈呈式」が開催されました。

 熊本地震被災地での支援活動を行った多くの組織・団体とともに、BHNも熊本市長・大西一史氏から感謝状をいただきました。式典後、熊本市長にお願いし、BHN熊本事務所のメンバー(左から、加藤公彦氏、色見高司氏、熊本市長・大西一史氏、有馬修二、宮本金生氏)と共に記念撮影を行いました。
  • テクノ仮設団地自治会主催:熊本地震から2年・追悼の集い 忘れない 4.14・16 益城町(2018年4月14日)

  • 熊本市役所主催:平成28年熊本地震感謝状贈呈式 熊本市長・大西一史氏から感謝状(2018年4月16日)

発災後3年目を迎えた熊本地震被災地の様子
 発災後3年を迎えた熊本地震被災地では、復興への取り組みが徐々に進行しています。これまで仮設住宅団地に暮らしていた被災者住民の約半数が退去し、災害公営住宅や再建を終えた自宅へ移り住む、復興期を迎える段階になりました。2019年4月14日、熊本県内各地で追悼行事が開かれました。
 4月14日~18日の日程で熊本地震被災地を訪問し、BHN熊本事務所の皆様とミーティングを持ち、復興期を迎えた熊本地震被災者支援活動の今後の取り組み内容を話し合いました。

 2019年度より、BHN自主事業「熊本地震地域ICT支援事業」に絞って事業継続しました。BHN熊本事務所では、毎週木曜日に全体ミーティングを開催し、各種支援活動を計画的に実施しています。仮設住宅団地被災者住民数が減少し、設置目的を達成した仮設団地集会所・談話室から「BHNパソコンコーナー」を撤去・回収し、特に地元行政部門等から強い要請がある場合は期間を限定した上で「災害公営住宅・談話室」へ展開することにしました。準備が整った箇所から順次進めることにしました。
  • 益城町・テクノ仮設団地集会所(みんなの家)
    「熊本地震から3年 追悼のつどい」準備模様(2019年4月14日)

  • BHN熊本事務所全体ミーティング 復興期を迎えた熊本地震被災者支援活動について討論(2019年4月17日)

発災後4年目を迎えた熊本地震被災地の様子
 2020年4月、熊本地震発災から4年間の年月が過ぎ、被災地では各種復興事業が進みました。住民退去が進行し設置目的を達成した仮設住宅団地集会所・談話室から順次BHNパソコンコーナーの撤去・回収しました。そして、地元行政部門等から支援要請が寄せられた新しい災害公営住宅団地集会所(9カ所)に対しBHNパソコンコーナーを開設し、巡回設備点検・活用相談を開始しました。合わせて、希望する災害公営住宅団地向けにパソコン研修会を継続できる体制を整えました。

 集約残置された益城町・木山仮設住宅団地集会所(3カ所)での被災者支援活動を継続しています。また、一部の公民館・地域コミュニティセンター(3カ所)において、定期的なパソコン研修会を継続できる体制を整えました。
 一方、2020年の年初より、新型コロナウィルス感染が猛威を振るっています。BHN熊本事務所では毎週木曜日にネット会議で全体ミーティングを開催し、感染防止対策に配慮したテレワーク型被災者支援活動等に切り替えて支援活動を継続しています。

  • 益城町下辻災害公営住宅団地概観(2020年6月20日)

  • 益城町下辻災害公営住宅団地集会所開設したBHNパソコンコーナー 自治会役員さん早速活用開始(2020年6月20日)


*初動・緊急対応期JPF助成事業「熊本地震被災者支援事業~熊本県益城町等7市町村の避難所・仮設住宅団地運営業務の円滑化・活性化に資するパソコン環境整備・運用支援~」は、事業期間:「2016年6月2日から10月15日」に、初動・緊急対応期の事業を実施して終了しました。


*NTT西日本熊本支店受託事業「みんなの家における健康サービス運用支援事業」は、2016年10月より、第1期健康サービス支援・イベント支援、及び第2期健康サービス支援を実施し、2018年度第1期四半期に終了しました。

*NTTドコモ受託事業「被災地におけるWi-Fi利用実態調査に関する事業」は2016年11月より、第1~3期調査業務を実施し、2018年度第四半期に終了しました。

*「赤い羽根共同募金」の助成を受けて実施しました。2016年10月16日以降、ボラサポ九州助成に基づき、2B-004、4B-001、5B-002「熊本地震仮設団地住民の地域コミュニティ形成のためのICT利活用支援活動」(活動期間:2016年10月16日~2019年 3月31日)を実施し、終了しました。



*BHN自主事業「熊本地震地域ICT支援事業」、事業期間:「2016年10月16日~2023年3月31日予定」は、NTT西日本株式会社(CLUB NTT-West)及び NTTファイナンス株式会社(NTTグループカード)のポイント寄附にてご支援いただいて、事業を継続しています。
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