令和2年7月豪雨被災者支援事業

2020年7月発生した「令和2年7月豪雨」に対し、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」の緊急時初動活動として、熊本県南部球磨川流域等の災害情報収集活動を実施しました。BHNでは、熊本地震被災者支援事業を継続実施しているBHN熊本事務所の体制を強化し、2020年8月1日よりBHN自主事業「令和2年7月豪雨被災者支援事業」をスタートさせました。被災地行政部門等の要望を確認しながら、熊本県八代市・芦北町・球磨村・人吉市等建設された仮設住宅団地(集会所・談話室)等を主対象として被災者支援活動を実施します。

事業名令和2年7月豪雨被災者支援事業
受益者熊本県八代市・芦北町・球磨村・人吉市、応急仮設住宅団地の居住する被災者 約1000人
対象地域令和2年7月豪雨被災地、熊本県八代市・芦北町・球磨村・人吉市

実施期間令和2年7月豪雨被災者支援事業
 2020年8月1日~2024年3月31日
国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業へ
 2024年4月1日~2027年3月31日(以後、継続していく予定)
資金源BHN自主事業
協力機関・団体協力機関
団体
熊本シニアネット (“高齢者の生きがい創り”、“コミュニケーションの場を創ろう”と1999年11月に設立された団体)、 九州電電同友会熊本支部、芦北町の地域社会貢献活動団体・ゆのうら会
1.令和2年7月豪雨被災地状況
 2020年7月発生した「令和2年7月豪雨」に対し、BHNテレコム支援協議会の熊本県現地パートナーである熊本シニアネット会員の方からの災害写真情報が届きました。熊本県では、八代市・芦北町・球磨村・人吉市等において応急仮設住宅団地の建設が開始されました。
  • 令和2年7月豪雨(熊本県芦北町)

  • 令和2年7月豪雨(熊本県芦北町)

2.BHN熊本事務所の取り組み
 BHN熊本事務所(所長:色見高司)では、2016年4月に発災した熊本地震災害に対しこれまで熊本地震被災者支援事業を実施し現在も継続中です。BHN熊本事務所では幅広い被災者支援活動を通じて多くの事業ノウハウ・技術ノウハウを蓄積してきました。BHNではBHN熊本事務所の体制を強化し、「熊本地震被災者支援事業」での被災者支援活動の経験を生かした「令和2年7月豪雨被災者支援事業」に取り組む準備を進めています。
 全国的に新型コロナウィルス感染症が広がっていることから、新型コロナウィルス感染対策を取りながら、慎重に取り組みます。被災地行政部門等の要望を確認しながら、支援対象仮設住宅団地集会所・談話室等にBHNパソコンコーナーを開設していきます。そして、テレワーク型被災者支援活動等を進めます。
3.BHN令和2年7月豪雨被災者支援事業のキックオフミーティング
 2020年10月1日、芦北町の地域社会貢献活動団体「ゆのうら会」(湯治 清会長)が自宅の大規模修理を終えて活動を再開した会場で、芦北町の行政部門や社会福祉協議会も出席し、BHN令和2年7月豪雨被災者支援事業のキックオフミーティングを開催しました。
 この会場内にBHNパソコンコーナー(パソコン、プリンター、Wi-Fi)を開設し、皆様から多くの希望が寄せられたスマホ研修から取り組みを開始しました。

  • BHN令和2年7月豪雨被災者支援事業キックオフミーティング (2020年10月1日撮影)

  • 芦北町・地域社会貢献活動団体「ゆのうら会」の皆さま (2020年10月1日撮影)

  • スマホ教室開催模様(芦北町・ゆのうら会場) (2020年10月14日撮影)

  • BHNパソコンコーナー(芦北町・ゆのうら会場) (2020年10月28日撮影)

4.発災後1年目~2年目を迎えた令和2年7月豪雨被災地の様子
 2020年11月5日、八代市市民球場仮設団地集会所にBHNパソコンコーナー(パソコン、プリンター、Wi-Fi設備)を開設しました。
 一方、芦北町・人吉市・球磨村3市町村の仮設住宅団地集会所(合計6カ所)へのBHNパソコンコーナー(パソコン、プリンター、Wi-Fi設備)を開設作業は、繰り返し襲って来た新型コロナウィルス感染症の蔓延によって阻まれ、円滑に進めることができませんでした。しかし、この間においても、被災地の行政部門の皆さま、関係する仮設住宅団地自治会役員の皆さまには、辛抱強く対応していただきました。

 2021年7月15日、芦北町・女島ゆめもやい緑地仮設団地集会所へのBHNパソコンコーナー開設作業を完了しました。2021年7月21日、人吉市・村山公園仮設団地集会所及び人吉市・西間上第一仮設団地集会所へのBHNパソコンコーナー開設作業を完了しました。2021年11月4日、球磨村・球磨村グラウンド仮設団地集会所及び球磨村・球磨村さくらドーム仮設団地集会所へのBHNパソコンコーナー開設作業を完了しました。2021年11月17日、球磨村・球磨村大王原公園仮設団地集会所へのBHNパソコンコーナー開設作業を完了しました。
 開設作業を完了したBHNパソコンコーナー(パソコン、プリンター、Wi-Fi設備)に対し、BHN熊本事務所の各エリアマネジャーによって定期的な巡回設備点検・活用相談に対応しています。

  • 八代市市民球場仮設団地集会所 BHNパソコンコーナー開設 (2020年11月5日撮影)

  • 芦北町・女島ゆめもやい緑地仮設団地集会所 BHNパソコンコーナー開設
     (2021年7月15日撮影

  • 人吉市・西間上第一仮設団地集会所 BHNパソコンコーナー開設 (2021年7月21日撮影)

  • 人吉市・村山公園仮設団地集会所 BHNパソコンコーナー開設 (2021年7月21日撮影)

  • 球磨村・球磨村グラウンド仮設団地集会所 BHNパソコンコーナー開設
    (2021年11月4日撮影)

  • 球磨村・球磨村さくらドーム仮設団地集会所 BHNパソコンコーナー開設
    (2021年11月4日撮影)

  • 球磨村・球磨村大王原公園仮設団地集会所 BHNパソコンコーナー開設
     (2021年11月17日撮影)

5.発災後3年目~4年目を迎えた令和2年7月豪雨被災地の様子
 芦北町の地域社会貢献活動団体・ゆのうら会とBHN熊本事務所共催「スマホ教室」は、大変に好評で芦北町社会福祉協議会様の協力をいただきながら継続的に実施しました。

 八代市(1カ所)・芦北町(1カ所)・人吉市(2カ所)・球磨村(3カ所)の仮設住宅団地集会所、八代市市民球場仮設団地集会所、芦北町・女島ゆめもやい緑地仮設団地集会所、人吉市・西間上第一仮設団地集会所、人吉市・村山公園仮設団地集会所、球磨村・球磨村大王原公園仮設団地集会所、球磨村・球磨村さくらドーム仮設団地集会所、球磨村・球磨村グランド仮設団地集会所等に開設したBHNパソコンコーナーに対する定期巡回設備点検・活用相談業務は、熊本市街部と球磨川流域部から参加する合同チームを構成して継続的に実施しました。
 定期巡回設備点検を実施する際は、当該仮設住宅団地の管理責任者に事前連絡をし、日程調整手続きを完了から訪問しています。特に、新型コロナウイルス感染症が蔓延している時期と重なっていることから、BHN熊本事務所では一層慎重に計画・実施しました。

 令和2年7月豪雨被災地の八代市、球磨村、人吉市、芦北町等では災害公営住宅の建設が進められています。

 2022年12月末、仮設住宅団地の住民数が減少してきたことから、役場担当課と打ちわせ、人吉市(1カ所、村山公園仮設団地)・芦北町(1カ所、女島ゆめもやい緑地仮設団地)の2カ所における活動を完了し、BHNパソコンコーナーを撤去回収しました。

 2023年度は、熊本県八代市(1カ所 八代市市民球場仮設団地集会所)・人吉市(1カ所 西間上第一仮設団地集会所)・球磨村(3カ所 球磨村・球磨村大王原公園仮設団地集会所、球磨村・球磨村さくらドーム仮設団地集会所、球磨村・球磨村グランド仮設団地集会所)等(合計5カ所)を対象に被災者支援活動を継続しました。
 仮設住宅団地居住者数が大幅に減少したことから、2023年6月末、八代市(1カ所)での活動を終了しBHNパソコンコーナーを回収しました。2023年9月末、人吉市(1カ所)・球磨村(3カ所)では、要望によりパソコン及びプリンターを残置した上でWi-Fi設備のみ回収しました。

 2024年1月30日、球磨村(1カ所、大王原公園仮設住宅団地)のパソコン及びプリンターを回収しました。一方、球磨村・球磨村さくらドーム仮設団地、球磨村・球磨村グラウンド仮設団地、及び人吉市・西間上第一仮設団地では集会所に設置しているパソコン及びプリンターの定期巡回設備点検業務を継続実施しました。
●令和2年7月豪雨被災者支援事業から国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業へ
 2023年12月、令和2年7月豪雨被災地・球磨村役場より二つの仮設住宅団地(球磨村さくらドーム仮設団地及び球磨村グラウンド仮設団地)向け支援活動の継続要請を受けました。BHN熊本事務所では、2024年4月より、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えつつ、併せて、①熊本事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②地震災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めていきます。
 「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」

令和2年7月豪雨被災者支援事業
国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二




*BHN 自主事業「令和2年7月豪雨被災者支援事業」、事業期間「2020年8月1日~2024年3月31日」は、西日本電信電話株式会社(CLUB NTT-West)、NTTファイナンス株式会社(NTTグループカード)、株式会社NTTドコモ(d POINT CLUB)のポイント寄付にてご支援いただいて、事業を継続実施しました。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業へ引き継ぎました。
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