北海道胆振東部地震被災者支援事業

2018年9月6日午前3時8分ごろ、北海道胆振地方を震源とする地震が発生し、厚真(あつま)町、安平(あびら)町、むかわ町で震度6強~7を観測する等、道内各地が強い揺れに襲われました。
これら3町を中心に大規模な土砂崩れも発生して、道内では家屋の倒壊等による死者・行方不明者・けが人等、多くの人が被害に遭いました。また、地震の影響で道内のほぼ全域295万戸が数日にわたって停電し、市民生活や経済活動にも大きな影響が出ました。

事業名北海道胆振東部地震被災者支援事業
対象地域北海道 厚真、安平、むかわの3町

実施期間2018年11月~2020年
資金源NTT東日本(フレッツ光メンバーズクラブ)のご寄附
NTTドコモ(ⅾポイントクラブ)のご寄附
JAPAN PLATFORM(以下、JPF)の助成金(2018年11月~2019年2月)
協力機関・団体協力機関
団体
厚真町社会福祉協議会、NTTドコモ、NTT東日本、JPF
■背景

北海道で大地震が発生

2018年9月6日発生の大地震により、記録が残る明示以降では最大の土砂崩れが発生し、被害は死者重症者63名、建物被害は2万棟超に上りました。被害の大きかった厚真、安平、むかわの3町の被災者は、厳しい気象条件の中、狭い仮設住宅で不自由な生活を強いられています。高齢のご夫婦や独居者も多く、別々な場所から集まってきた仮設住宅では、協力して復興に立ち向かうための新たなコミュニティの形成と生活における心の安らぎ作りが必要です。

 そこでBHNの出番です。

  • 地震直後の土砂崩れ
    “ 平成30 年北海道胆振東部地震 厚真川地区 正射画像(2018 年9 月6 日撮影)Geospatial Information Authority of Japan & Kkairri.jpg”

  • 1年後の復旧工事状況

■活動内容
【初動支援活動】
 地震発生直後から被災状況や現地ニーズの収集を開始し、2018年11月の仮設住宅入居開始に合わせて、支援活動をスタートさせました。

【情報通信の基盤をつくる】
 厚真町、安平町、むかわ町の町内8カ所の仮設住宅の談話室に、パソ コン、プリンターとNTTドコモの「おくだけWi-Fi」を設置し、誰でも使えるような形でパソコンとインターネット設備を提供しました。

【パソコン勉強会・パソコン相談会】
 2018年12月以降3カ月かけて仮設の談話室で「パソコン勉強会」を開催し、現在は「パソコン技術相談会」に衣替えして、月4回継続開催しています。エクセルやワードの基礎から年賀状作成等の応用まで、皆で楽しみながら勉強しました。

【コミュニティサロンも併設開催】
 仮設住宅では復興に向けての推進力となるコミュニティの結びつきはまだ弱い状況で、
当会は「パソコン技術相談会」に併設の形で、コミュニティサロンを毎月4回開催し、似顔絵描き、ギター演奏と合唱、プーアール茶の試飲等の楽しいイベントで、コミュニティの結束を高める活動を展開ました。
■成果

●情報通信の基盤を整備
 BHNはこれまでにも東南アジアや国内の災害被災者を、情報通信技術を活用して支援してきました。情報が人と人を繋ぎ、コミュニティの活性化が進み、心の安らぎをもたらし、生きる元気につながってゆく、そんな事例を沢山見てきました。
北海道においても、人が集まる談話室8カ所にパソコン、プリンター、Wi-Fi等を設置したことにより、コミュニティ活動を行ううえで必要な情報基盤が整備できました。

  • 雪に閉ざされる仮設住宅団地

  • 仮設住宅談話室に設置したパソコン、プリンター、Wi-Fi装置

●パソコン勉強会でパソコン利用者が増えた
 残念ながら高齢者の多い仮設住宅でパソコンを使いこなせる人は多くありません。私たちは多くの人がパソコンを使えるようにするため、約1年後の2019年12月までに仮設の談話室で「パソコン勉強会」と「パソコン相談会」を計45回開催しました。参加者は約110人に上りますが、年齢層は小学生から83歳の高齢者まで幅広く、技術的にも全くの初心者から少し経験のある方まで様々であり、講義を進める傍らで補助講師が1対1の対面指導する場面も多く見られました。
 受講者は、「いやいやこれは難しいなー。」とこぼしながらも、Excelで表計算ができると、「おー、できた、できた!」と歓声をあげたり、写真の貼付けが完成すると小さく拍手して喜んでいただけたりと、その笑顔がとっても素敵でした。受講生の技術向上に講師一同大いに手ごたえを感じました。
  • 写真の貼付けはこれで良いのかな

  • 思い通りに動かせると喜びの声が上がり、和気あいあいと勉強中

●コミュニティサロンで楽しい時間
 コミュニティサロンではいろいろなイベントを計画して、参加者に楽しんでいただいてます。BHNのメンバーが参加者の似顔絵を描いて本人にお渡ししたり、仮設住居者の1人がギターを弾いて皆で合唱する等、回を重ねる毎に皆の親密度が高まっていることを感じました。
  • サロンの話題は復興にむけての情報交換が多い

  • 仮設入居者のギター演奏で歌会

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2019/03/08

生活向上のための支援

【北海道地震被災者のコミュニティ支援活動】

あなたにできる支援

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