BHN桑原基金寄附講座

BHNは桑原顧問から多額のご寄附をいただき、電通大への「BHN桑原寄附講座」の創設に向けた検討を進めてきました。
 BHNは電気通信技術を活用した国際協力を手がけており、国連の持続可能な開発目標( Sustainable Development Goals 以下、SDGs) への寄与を掲げております。この度、国内大学での途上国人材育成を企画する中で、電通大が今春、 東京農工大学、 東京外国語大学と、 途上国の留学生を対象とする大学院「共同サステイナビリティ研究専攻」を開設し、また、イノベーション人材育成の「スーパ一連携大学院プログラム」を2011年度から室蘭工業大学、 秋田県立大学等と手がけている活動に注目しました。

 電通大へのBHN桑原基金寄附講座贈呈式を2019年4月18日(木)に実施し、講座の運営、内容、講師等について具体的な内容を電通大とBHN双方で検討してきました。この講座は、SDGsを支える人材の育成を目指した寄附講座として2019年10月よりスタートします。

本講座では,SDGs に寄与する情報通信(ICT:Information and Communications Technologies)を理解し,その達成に重要なエネルギー、情報セキュリティおよび情報通信政策を学ぶことで社会的課題に関しての理解を深めることを目標としております。更に、情報通信の寄与が期待される分野として,地域創生における ICT、医療における ICT、防災・減災における ICT、農業・漁業における ICTなどの具体的事例を学ぶことによって理解を深めていただき、出身地域(国)の情報通信社会を背負い、日本の技術との連携により課題解決の構想・企画・立案ができる人材を育成することを目指しています。

2020年度のSDGs を支える情報通信論講座はコロナ問題ですべての講義がオンラインで実施することになり、第 1 回(5月15日)に イントロダクション及びSDGs における ICT 〔石橋孝一郎教授, 加納貞彦講師(BHN, 早大名誉教授)〕で講義がスタートしました。各講義は順調に進み、7月31日の演習では講義を通して学んだ内容をベースに、出身地域(国)における ICT の利活用による課題解決の構想・企画・立案などについて18名の講義受講者から興味深い発表がなされ、討論されました。すべての講義がオンラインであった事から、受講者の理解度が心配でありましたが、発表内容から良く講義内容を理解していたと判断できます。
9 月上旬に 技術見学会として仙台、石巻方面(2 泊 3 日)を訪問し、東日本大震災からの復興状況と知見等について視察・学習する予定でありましたが、これもコロナ問題で中止することになったのは残念です。

事業名BHN桑原基金寄附講座事業
対象者開発途上国からの大学院留学生が主な対象
実施期間2019年10月~2026年(8年間)
協力機関・団体協力機関
団体
国立大学法人電気通信大学 (以下、電通大)
■背景
 日本政府は、SDGsの達成に向けた施策を目指し、関係省庁が連携し政府一体で取り組むとともに、広範な関係者(行政、NGO/NPO,有識者、民間セクター、国際機関、各種団体等)が集まり意見交換を行う場を設置し、官民あげてSDGsを推進しています。

  • BHNは、2017年度より中長期活動方針として、「ICTを活用し、NGOの立場から、SDGsの達成に向け寄与する」という目標を掲げています。
  • 電通大においては、高い志を持ち実社会で活躍するイノベーション博士人材を大学院連携によって育成する「スーパー連携大学院プログラム」を2011年度より、またSDGsに寄与する博士人材育成に向けて多摩地域3大学連携による「大学院共同サステイナビリティ研究専攻」を2019年度から開始したところであり、SDGsへの理解を高める教育が求められていました。

  • BHN桑原基金寄附講座贈呈式 電通大にて(2019年4月18日実施)
    左から:福田 喬(電気通信大学長)、佐藤 征紀(BHN会長)

■活動内容
●「BHN桑原基金」寄附講座

途上国からの留学生を主な対象とする大学院生向け寄附講座の科目は、以下の2科目で構成されています。

  • SDGsを支える情報通信論
     情報通信技術(ICT)によるSDGs達 成を掲げています。 また、情報通信の施策やセキュリティー以外にも、 医療や地球環境、 防災、 農業・漁業のICTの座学と施設・現場見学で構 成しています。(その内容を表1で示します)
  • 国際科学技術コミュニケーション論
     既存科目のリニュ― アルで、 情報通信の国際標準化や国際研究プロジェクト、 科学コミュニケーションの座学と演習からなります。

  • BHN桑原基金寄付講座による二つの科目と提供先

  • ・青字の講座はBHN関係者が担当
    表1:2020年度の「SDGs」を支える情報通信論 授業内容

  • IOT利用の「大グリーンハウス」2019年

  • 学生有志の筋電図での波形から、身体の状態を読みとる技術の実演と説明。東都大学 2019年

 「BHN 桑原基金寄附講座」を通じて、多くの学生がSDGsの理念を学び、ICTの仕組みや寄与する現実の課題を理解し、その解決に向けて技術者としての先見性や意欲ある心構えを持った人材が数多く輩出されることを願っています。
 「BHN 桑原基金寄附講座」を通じて、多くの学生がSDGsの理念を学び、ICTの仕組みや寄与する現実の課題を理解し、その解決に向けて技術者としての先見性や意欲ある心構えを持った人材が数多く輩出されることを願っています。
  • コロナによる緊急事態宣言時はZOOMによる発表会を行った 2020年

  • コ+ロ+ナ=イヤ 2020年

  • 新型コロナによる感染に注意しながら対面授業が行われた 2022年

  • オンラインも含め46名の学生が出席しました 2022年

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あなたにできる支援

BHNは、情報通信技術(ICT)を活用し、開発途上国や国内外の被災地の人々の安全・安心を守り、生活環境の改善や社会的課題の解決を目指しております。このため、多くの方々の温かいご支援・ご協力を必要としています。BHNでは世代を問わず幅広い分野の方々の熱意と持てる力、これまで蓄積されたご経験を色々な方法で役立てることができます。皆さまに合った方法でBHNの活動に是非ご参加ください。

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