ミャンマー・カレン州、モン州紛争被害者支援

ミャンマーでは、長年続いてきた紛争によって多くの人が被害をこうむっています。少数民族武装勢力が支配してきた地域に住む人々は、国や地方自治体の行政サービスも受けられず、国際的支援もほとんど届いてこなかったため、過酷な生活状況の中でこれまで暮らしてきました。

しかし、2015年10月15日にミャンマー政府とKNU (カレン民族同盟:以下、 KNU )を含む8つの少数民族武装勢力グループが停戦に合意したことを受けて、これまで閉ざされてきた地域にも、支援を届けることができるようになりました。 BHNは、少数民族武装勢力の支配・影響が及ぶこれらの地域で、長年にわたる支援活動の経験がある日本財団とのパートナーシップ事業として、 KNUタトン地区をスタートとしてソーラー発電を使った無電化村の住宅への電化を行うことになりました。

また、この電化事業を通じて武装勢力の人たちに『内戦を止めると、今よりずっと良いことが起きますよ。』(BHNではこれを「和平の果実」と呼んでいます)という事を示すことにより、停戦に合意への道筋を作る事も、BHNの事業の大きな目的です。

事業名日本NGO連携無償資金協力 NGOパートナーシップ事業
カレン州・モン州における紛争被害者を対象とした住居電化事業
対象者第1期:15村、1,570世帯
第2期:6,138世帯
第3期:6,200世帯
第4期:約7,300世帯予定
対象地域カレン州・モン州のEAO地区

実施機関第1期:2016年3月31日~2017年3月30日(1年間)
第2期:2017年9月20日~2018年9月19日
第3期:2018年9月20日~2019年8月31日
次期 :2019年9月 1日~2020年8月31日
協力機関・団体協力機関
団体
(公財)日本財団
■プロジェクト目標
紛争被害地域の無電化村の住宅へ電力供給を行い、紛争被害者の生活の向上を図ります。また、ミャンマー政府とKNUによる協議・合意のプロセスを重ねながら本事業を実施していくことで、平和構築の基盤となる両者の更なる信頼醸成・協力関係の強化に寄与します。
  • 村民への事前説明会

  • 村の人も作業に参加してもらい、現金収入が得られます

  • 事務所に戻ってデータの整理を行うローカルスタッフ

  • 入札選考会の模様

■ポイントと活動
【ポイント】
  1. 支援対象村・世帯にソーラー発電装置が設置され、住民が便利で安心できる暮らしを実感できるようになります。

  2. 住民がシステムの適切な保守・運用方法について理解・実践し、継続的な運用ができるようになります。


【活動】
  1. 復興のためのパートナシップ事業
     ミャンマー政府、及び少数民族武装勢力間の一層の信頼関係を図るため、日本財団の助言とサポートを受けながら、計画立案から実施に至るまで一貫して双方の連携・協力のもと進めています。

  2. 質の高い工事を行うための準備
     現地の工事施工業者(以下、業者)に発注して質の高い工事を行うためには、業者の入札時から工事実施前までに様々な配慮や対策が必要です。本事業では各業者の技術レベルの精査、機材の詳細な性能試験の実施、 さらに標準工事方法の指定、工事演習による業者への指導の徹底等、長期の使用にも耐えられるしっかりとした工事が出来るように、多くの時間と労力を掛けています。

  3. 住民の理解を得るために
     業者を伴って事業地を訪問し、本事業がミャンマー政府、州政府、KNUの連携・協力と日本の支援によって実現していること、工事内容やスケジュール、機材のメンテナンスの必要性、将来的に必要になるバッテリー交換のための資金計画等を、住民に対して説明しています。

  4. 現地に最大利益を生むために
     ソーラーパネルを固定する支柱の一部の部材は、村民が加工製作を行いました。これは、現金収入を得られる仕事が少ない村で、貴重な雇用の機会であり、村民の収入源になりました。その後、工事業者が1日に1チーム 10~15軒の設置を行い、BHNスタッフが順次完了検査を行います。
     また、完了検査後も各村を訪問し、システムが正常に作動しているか、利用者がシステムを適切に使用しているか、どの様に活用しているか、問題に対して適切な対応ができているか等、チェックリストを使った聞き取り調査によるモニタリングを行っています。

  5. 電気技術者:「システムサポーター」の育成・指導
     第2期以降、私たちは12人の村人を(「システムサポーター」として)雇用して、彼らの村の電気技術者になるように指導をしてきました。 更に、この第3期に入り、村のシステムサポーターとして10人村人を追加雇用しました。


■成果
(「システムサポーター」として)雇用された村人は、彼らの村の電気技術者になるための、BHNによる育成・指導研修を経て、請負業者のチームメンバーとしてすでに設置作業に参加しています。

 第4期では、これまでかたくなに停戦を拒んできたモン州を基盤とする武装勢力が、隣接するカレン族系 武装勢力のエリアがこの事業活動の結果、目に見えて改善してきたことを見て、同じように「和平の果実」が得られるならばと、停戦に参加しました。その後、同武装勢力から出されてきた要望に基づく、2,300台余りの設備建設も含まれており、この事業が当初から目指してきた「和平の果実を広めることで平和構築につなげる」、という目的が実現してきていることが感じられました。
  • 台所にも電灯が点きました

  • 工事後の完成検査

  • 照明取り付け作業中

  • 村の一角に大きなソーラーパネルを設置

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