
APTーJ4研修
2019年2月から9月までBHNでボランティアとしてお手伝いして下さっている、武田望さん(国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科4年生)が、BHN受託プロジェクト『APT-J4人材育成プログラム』で宮城県仙台市への研修に同行参加しました。
その時の研修の様子と研修生の感想をレポートしていただきました。
BHNは、アジア・太平洋電気通信共同体(APT)の委嘱を受けて、アジア・太平洋域内におけるICT利活用の発展向上を目指し、その目的を達成するためアジア・太平洋域内の諸国においてICTに関わる計画の立案、事業の運営等に携わる人材に対して、先端的なICTサービスの利活用事例、ICTサービスを支えるインフラ技術等に係る人材育成研修を計画・実施しています。
事業名 | アジア太平洋電気通信共同体(APT)人材研修 2019年度は、「SDGs実現に向けたICT利活用及び次世代社会の形成」をテーマとした研修を実施(2020年2月19日~同3月1日)しました。 |
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対象者 | APT加盟国(38か国)において情報通信分野の政策立案・事業運営等に従事している中堅人材を対象とした研修を企画・実施しています。 2019年度研修には、次の9か国より9名の研修生が参加; ブータン・中国・インド・ラオス・マレーシア・モンゴル・ミャンマー・ネパールおよびツバル(国名は英文表記のアルファベット順) |
資金源 | アジア太平洋電気通信共同体(APT) |
協力機関・団体協力機関 団体 | (株)NTTデータ、(株)NTTドコモ、NTT武蔵野研究開発センター、(株)GRA、情報セキュリティ大学大学院、情報通信研究機構耐災害ICT研究センター、聖心女子大学グローバル共生研究所、総務省、多摩大学情報社会学研究所、東北大学災害科学国際研究所、東北大学電気通信研究所、日本経済団体連合会産業技術本部、富士通(株)、(機関・組織名は、五十音順) |
- ■背景
- スマート社会構築を掲げ、日本各地で行われているICTを用いた取り組み事例は、アジア諸国でもデジタルデバイドを解消するための参考になります。近年、アジア各国でもブロードバンド環境が整ってきていますが、新しいサービスを展開するには、ワイヤレス技術(BWA、Wi-Fi等)と光通信や移動通信との組み合わせが必要とされています。そのため、本研修ではインフラ技術とアプリケーションの両分野を学ぶことができるプログラムを構築しています。
- ■近年の活動
- 2019年2月から9月までBHNでボランティアとしてお手伝いして下さっている、武田望さん(国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科4年生)がBHN受託プログラム『APT-J4人材育成プログラム』で宮城県仙台市への研修に同行参加しました。
《望さんのボランティア体験レポート》アジア太平洋電気通信共同体(APT)よりBHNが受託している人材育成研修が、2019年2月19日から3月1日の約2週間にわたって行われました。BHNの活動の3本柱の一つ、人を育てる支援の一貫として、今回はアジア太平洋地域の9カ国、ブータン・中国・ミャンマー・ラオス・マレーシア・インド・ネパール・ツバル(順不同)から情報通信主管官庁の若手行政官9名を迎えて、研修を実施しました。
今回私はボランティアとして、仙台への研修に同伴させていただきました。
仙台では、東北大学の災害科学国際研究所と電気通信研究所、国立研究開発法人情報通信研究機構 耐災害ICT研究センター、そして東日本大震災の被災地でICT技術を活用した先端農業を行っているいちご農家GRA(General Reconstruction Association)を見学訪問しました。
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東北大学災害科学国際研究所にて(1)
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東北大学災害科学国際研究所にて(2)
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いちご農家GRAにてICT活用の現場を見学(1)
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いちご農家GRAにてICT活用の現場を見学(2)
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震災を経験した仙台では、特に災害や農業へICTを活用する取り組みが先進的に行われており、これらの取り組みを学んで、自国で新たなICT利活用の方法を模索しようとする研修生の方々の、真剣なまなざしが印象的でした。
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皆で美味しく・楽しく学べました!
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- この約2週間のプログラムを終えた研修生の方々に感想を聞きました。
Q: このプログラムで新たに学んだことは何ですか?
<Mr. Shailendra SINGH (インド)>
SDGs達成のためのICT活用についてや、自国の課題をICTを活用してどのように解決することが出来るのかについてヒントを得た。特に、仙台において、過疎地域における高い失業率、農家の高齢化や働き手不足等の問題を、ICT利活用によって効率化しコスト削減につなげていたイチゴ農家の取り組みは、勉強になった。
<Mr. Goulei CAI (中国)>
中国ではEコマースを活用したビジネスの効率化など、経済発展を目的にしたICT利活用に重点が置かれている一方、日本のICT政策や取り組みにおいては、SDGsのための活用や、少子高齢化や防災などの社会課題の解決により重点が置かれていることを学び、今後自国においてもそのような取り組みに力を入れていきたいと思った。
<Ms. Silvanh PHOTHILACK (ラオス)>
5Gなどの新しいテクノロジーを使ったICT政策など、今まで知らなかったことが学べた。
<Mr. Famotu Titivalu TAMATOA (ツバル)>
ICTについては、特に農業について多くを学んだ。ツバルでは現在も農家が手作業で農業を行っているが、ICTを活用すれば、農業における時短化・効率化を実現出来るのではないかと思った。
Q:BHNの印象を教えてください。
<Mr. Pempa TSERING (ブータン)>
はじめはボランティアの年齢層の高さに驚いたが、たくさんの経験豊富なエキスパートと知り合うことが出来た。この研修を実現させてくださった皆さまに感謝している。
<Mr. Enkhbat LKHAGVASUREN (モンゴル)>
とてもよかった。将来私の国からもっと多くの人が研修を受けに来られたら良いと思う。日本は私の国に比べて発展しているので、日本で学ぶことは助けになる。
<Mr. Hein Htet AUNG (ミャンマー)>
BHNはミャンマーでソーラーパネルの設置など様々な活動をしており、とても助けられている。感謝している。
今回の研修での縁が、今後も続いていくことを願います。ボランティア 武田 望
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